そのため、面接の最後の5分が重要になる。時間に追われてあたふたしていたり、緊張したままおどおどしていたり、「最後に質問はありますか?」と面接官に聞かれたときに曖昧な笑顔で「ありません」と答えて、気の抜けた印象を残してはいけない。記憶のエラーによって、最後の5分が1時間の面接全体の評価を左右する。ポジティブなエネルギーとこの人は信頼できるという印象がたっぷり残るように締めくくろう。

【4】「逃したくない人材」だと思わせる

 複数人の意見を集めるとはいえ、1時間の面接で採用すべき人材かどうかを100%確信するのは簡単なことではない。こんなとき、他の会社があなたを欲しがっているという情報があれば、面接官の確信を強めることができる。「売り切れ間近」というテロップで視聴者を焦らせるテレビショッピングの手法と同じだ。

 そのため転職活動をするときは、第一希望以外の会社にもエントリーしておいたほうがいい。入社する気のない会社でもかまわない。「自分は多くの企業が欲しがる優良物件だ」ということを第一希望の会社に見せられればいい。複数の企業を同時に受けると、一社で学んだことを別の会社でも活かせるし、面接に慣れて失敗を減らすこともできる。何と言っても、自分に有利に面接を進めていくことができる。

 私を採りたいなら急げ、というサイン。売り切れ間近。他人が欲しがっていれば、自分も欲しくなるというのが人間というものだ。

 面接とは人と人が会い、人の心を動かすものだ。そして何より、自分に対する相手の心を動かさなくてはならない。ここで最も重要な点は、自分への愛情と自信が欠かせないということ。自分ですら愛していない自分を、誰かに認めてもらいたいと願うなんておかしな話だ。そして「面接は面接官のものではなく、自分のものだ」という姿勢を忘れないこと。あなたこそがストーリーを構成する脚本家であり、監督であり、主人公だ。幸運を祈る。

『悩みの多い30歳へ。世界最高の人材たちと働きながら学んだ自分らしく成功する思考法』(CCCメディアハウス)
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