岸田首相への襲撃事件で、再び警察の警備体制に視線が注がれている。安全の確保という点で気になるのは、皇族の警備もしかり。昭和から平成初期の過激派によるゲリラ事件は消滅したが、秋篠宮家の長男、悠仁さまがお茶の水女子大学付属中学校(東京都文京区)在籍時の刃物事件のように、まだまだ皇族が「標的」となる事件は起きている。そうした中、宮内庁には「警備」や「外事」出身、「暴力団対策」などを手がけた百戦錬磨の警察官僚が続々と集められている。
【写真】1990年11月、即位の礼を前に、警視庁独身寮で発生した爆発現場
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「カメラはやめてくださいね」
手に持っていたカメラを構えた20代の男性は、スーツ姿の女性に声をかけられた。
秋篠宮家の長男、悠仁さまは今春、筑波大学付属高校の2年生になった。通学時は宮邸から学校の近くまで車で移動し、そこからは徒歩で校門をくぐる。下校の際も同じだ。悠仁さまは車まで同級生と連れだって歩くことも、ひとりのこともある。
冒頭の男性は、たまたま一人で歩いていた悠仁さまが目に入り、カメラを向けたところ、護衛らしき女性に制止された。
皇室取材の経験のあるジャーナリストが、こう話す。
「カメラ機材は特に、何か危険なものが仕込まれている可能性もありますから、用心したのでしょう。事前申請をしての皇室取材のときでさえ、不審な仕掛けがないか確認するために、カメラのシャッターを切らせることもあります」
悠仁さまは、皇位継承順位2位という重要な立場にある皇族。それだけに、姉の眞子さんや佳子さま、両陛下の長女の愛子さまが通学していたときよりも、警備体制はかなりピリピリした雰囲気がある。
宮内庁に届いた包丁
実際、4年前の2019年4月には、悠仁さまが標的にされる事件が起きている。
当時、通っていたお茶の水女子大学付属中学校に男が忍び込み、悠仁さまの机に刃物2本を置いた。逮捕された男は、「刺すつもりだった」と供述している。
昨年も、包丁とともに皇族を批判する内容が書かれた手紙が宮内庁に送りつけられた。その手紙には、複数の皇族の名前とともに、皇族への批判が書かれていた。事情を知る人物によれば、
「その中には、秋篠宮家の皇族方の名前があった」
という。