2015年4月から、生活保護に至る可能性のある「生活困窮者」の自立支援制度が始まり、全国に相談窓口ができた。その対象者には、ニートやひきこもりの人も含まれる。
藤原さんは、
「始まったばかりの制度でどこまで支援が見込めるかは未知数ですが、当面の住居などを窓口に相談するのも一つの手だて」
と言及しつつ、こう指摘した。
「最終的には、ひきこもり本人の生きる気力、その人がまわりに『助けて』と言える力をどう引き出せるか。そこにかかっていると思います。ただ、それまで離れて暮らしてきたきょうだいならば、精神的な援助のハードルは高いかもしれません」
ひきこもりの子を支える親が高齢化する今、「きょうだいリスク」は、より高まっていると言えるかもしれない。(ノンフィクションライター・古川雅子)
※肩書などは新書出版時(2016年)のものです。