支配下の下位指名で入団した選手では福永裕基(中日7位)と児玉亮涼(西武6位)の社会人出身の2人が存在感を示している。福永は開幕からセカンドのスタメンの座を獲得。ここまでホームランこそ出ていないものの、高い打撃技術で広角にヒットを放ち、チームで3位タイとなる16安打をマークしている。またセカンドの守備でも度々好プレーを見せ、ここまで失策0と安定感も申し分ない。今後は長打も増えてくれば、トレードで楽天に移籍した阿部寿樹の穴を完全に埋めることになりそうだ。

 一方の児玉も開幕3試合目からショートのレギュラーに定着すると、4月9日のソフトバンク戦、11日のロッテ戦と2試合連続で3安打猛打賞を記録。その後は少し打撃に苦しんでいる印象だが、持ち味である守備では安定したプレーを続けており、故障で離脱中の源田壮亮の穴をある程度埋めていると言えるだろう。源田の復帰後はバックアップに回ることになりそうだが、守備力の高さは十分にアピールできただけに、今後も一軍で出場機会を得る可能性は高い。

 現在は二軍だが、今後が楽しみなルーキーも紹介しておきたい。投手でアピールを続けているのが松井颯(巨人育成1位)だ。育成選手ながらキャンプからアピールを続け、オープン戦でも2試合に登板。二軍ではここまで4試合に登板して2勝0敗、防御率1.26と抜群の安定感を誇っている。野手では先述した茶野が早くも一軍戦力となっているが、松井も育成指名から“即戦力”となることも十分に期待できそうだ。

 高校卒の選手では松尾汐恩(DeNA1位)と井坪陽生(阪神3位)の2人が順調なスタートを切っている。松尾は二軍で捕手としてチームトップとなる9試合でマスクをかぶり、捕逸3は課題だがフットワークとスローイングでは高い能力を見せている。まだ打撃面でも3割近い打率を残すなど、木製バットとプロの投手にしっかり対応している印象だ。一軍の捕手は日替わりでの起用が続いているだけに、このまま順調にいけばシーズン中の一軍抜擢も十分に考えられるだろう。

次のページ
井坪の驚異的な“長打力”