4月15日には、応援に駆け付けた岸田首相に、和歌山市の雑賀崎漁港で爆発物が投げつけられる事件があった。ぎりぎりのところで難を逃れた岸田首相は選挙戦最終日にも反対を押し切り和歌山入り。2500人の聴衆が和歌山城前に集まり、車が大渋滞するほどだった。

 同じ最終日には小池百合子・東京都知事も門氏の応援にサプライズ登場。事前に大きな告知がなかったにもかかわらず、1500人がJR和歌山駅前に集まり、「小池劇場」パワーを見せつけた。

「岸田首相と小池知事と言えば、日本で最も注目される政治家2人だ。岸田首相を狙った爆弾事件では、自民党に風が吹くと思っていた。小池知事は自民党をバッサリ切って、都民ファーストの会を設立して出て行った人。そんな人にまで二階先生が頭を下げた。そこまで力を入れても維新に勝てないとは……」(自民党幹部)

東京から小池百合子都知事も応援に駆けつけたが
東京から小池百合子都知事も応援に駆けつけたが

 情勢調査や期日前出口調査では、門氏の厳しい情勢が伝わっていた。そのためか、こんなこともあった。

 岸田首相が選挙戦最終日に和歌山入りした時、爆発物を投げた木村隆二容疑者(24)の身柄確保に協力した漁師らと懇談する機会があった。岸田首相は、

「私が今日、この場に立てるのは身を挺して危険を顧みずに犯人確保をしていただいた皆さんのおかげだ」

 と賛辞を述べた。公開の取材はここまでで終わり、あとは非公開の懇談が行われた。

 AERA dot.が入手した座席表によると、この懇談に参加したのは身柄確保に協力した漁師だけでなく、2列のテーブルに雑賀崎漁港の漁協幹部、地元自治会役員など全員で14人が顔を並べた。参加者の一人は、

「報道陣が出てから、なんとか門氏の支援をお願いしたいというような話が出ましたね。門氏の形勢が悪いこともたいていわかっていた。お礼半分、選挙半分ですかね」

 と苦笑しながら話した。

 対する維新。林氏の出陣式では馬場伸幸代表が気勢をあげたが、見守った支援者は約30人だけ。岸田首相への襲撃事件があった4月15日の夕方、大阪府の吉村洋文知事が南海和歌山市駅前でマイクを握り、奈良県知事選で維新から当選したばかりの山下真氏も姿を見せたが、雨模様ということもあってか、聴衆は200人を切るほど。集会に集まる人数は自民に到底及ばなかったが、結果は林氏の勝利だった。

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昔ながらの政治に嫌気