地形図作製ソフトを使って海底地形図を描く海底地形処理の授業に興味があり、後期の研究テーマとして選ぶ予定だという。

 農林海洋科学部がある物部キャンパスには、海洋資源の研究を行う海洋コア総合研究センターが設置されている。最先端の機器が揃っており、海底から採取した試料の解析から応用研究までを一貫して行える。中には、水深6千メートルの海底から1千メートルの深さまでを掘削して採取した貴重な試料も保管されていて、世界から研究者が訪れる。09年には、文部科学大臣から地球掘削科学共同利用・共同研究拠点の認定を受けた。

 神奈川県出身の近藤桂さん(3年生)は、子どもの頃、横須賀にあるJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)に連れていかれ、海に興味を持つようになった。高校2年生の時、海洋コア総合研究センターで行われたサイエンスキャンプに参加したことをきっかけに、首都圏から高知大学に進学した。3年の後期に実施される、洋上研修を楽しみにしているという。同好会では“よさこい”を踊っており、高知の生活を満喫しているようだ。

「ご飯がおいしくて、特に魚は格別です。東京に比べて不便なところもありますが、逆にその不便さを楽しんでいます」

 期待が膨らむレアメタルだが、上田教授いわく、実際に採掘するには、問題が山積みだという。

「実用化が難しいからといって、研究をやめるわけにはいきません。次の世代へ引き継ぐ資源として、研究を続けることが使命だと思っています」(上田教授)

(ライター・柿崎明子)

AERA 2018年4月23日号より抜粋