「いまの職場で非正規雇用者が希望や努力により正規雇用者になれると思うか」という問いには、「声をかけてもらった」「登用制度がある」とした人がいる一方で、半数近くが「制度がない」「会社次第」「難しい」と考えていることがわかる。
非正社員が正社員への転換を望む場合、理由のほとんどは「生活の安定」と「賃金・待遇」だった。雇い止めがなく、ボーナスや福利厚生があり、収入も上がる。現状はできない「結婚」も、視野に入るかもしれない。
外資系企業正社員の女性(55)は、「正規雇用でも雇い止めが横行しており、危機感をもって仕事に臨んでいる」。
「会社も、非正規雇用者には教育もチャンスも与えず、単純作業を任せ、使い捨てにしていると感じます。もし、この年齢で一度非正規になったら、その次は正規は無理だと思う。非正規雇用は最後の手段です」(女性)
落ちたくないし、一度落ちたら上がるのは難しい。「格差は下が気づくもの」という指摘もあった。この断絶を、社会はどう受け止めるのか。(編集部・熊澤志保)
※AERA 2018年2月26日号より抜粋