

平昌五輪のフィギュアスケート代表が、発表された。男女シングルの5人はソチ五輪王者の羽生結弦を除き初出場、アイスダンスとペアも新チームというフレッシュな顔ぶれ。五輪をどう戦うのか。羽生の連覇は――。
2月9日に開幕する平昌五輪は、日本のフィギュアスケート界が初めて迎える「世代交代」の五輪だ。
日本のフィギュアスケートブームに火がついたのは、2006年トリノ五輪のシーズン。当時15歳の浅田真央がトリプルアクセルを跳びながらも年齢制限で出場できず、荒川静香(当時24)は華麗なイナバウアーを披露して、アジア人初の金メダルを獲得した。
4年後のバンクーバー五輪では浅田真央(同19)が銀、高橋大輔(同23)が銅メダルを獲得。さらに4年後のソチ五輪では羽生結弦(同19)が日本人男子として初めて金メダルに輝き、浅田(同23)も記憶に残る演技をみせた。そして10年代の国際大会を、安藤美姫(30)、鈴木明子(32)、織田信成(30)、小塚崇彦(28)らが席巻してきた。
こうした選手たちがいずれも現役を引退。17年12月24日に発表された代表は、多くが初めて五輪を経験する選手たちだ。メダルを狙える選手は誰か。代名詞となるような技を持つ選手はいるのか。新たなキャラクターは……。
誰もが期待しているのが、羽生(23)の連覇、そして宇野昌磨(20)のメダル獲得だろう。昨季の最高峰の大会である17年4月の世界選手権で、羽生が金、宇野が銀を獲得しており、順当な実力でいけば日本のワンツーフィニッシュの可能性は高い。
しかし、羽生は17年11月9日、NHK杯の公式練習で転倒し、足首を負傷。現時点で、けがの回復具合は未知数だ。全治4~5週間の靱帯(じんたい)損傷とされ、12月中旬にやっと氷に乗り、前後に滑ることから始めているという。五輪代表の選考の場となった全日本選手権は欠場したが、12月16日の日本スケート連盟強化部への連絡で「逆算すれば平昌五輪に間に合う」と伝えられたことから、選考委員会は羽生を平昌五輪代表に選んだ。
課題は「試合勘」をどこで取り戻すか。1月の四大陸選手権は羽生側が出場を望んでいない。となると、男子シングルの連覇に向けて平昌五輪の団体戦が「試合勘を取り戻す場」となる。