「タワマン節税」として有名になった。

 それが、来年以降に引き渡される新築物件では、階数による違いが固定資産税にも適用されるようになる。富裕層のみが利用できる節税策でもあり、公平性の観点からも見直される方向にあるのだろう。

 とはいえ、今年は、相続の手続きが便利になる制度の創設も行われた。

 誰もが利便性の向上を歓迎するであろう制度が5月29日に始まった。相続開始以降の手間を減らすことのできる「法定相続情報証明制度」だ。

 相続が発生すると、被相続人の銀行口座や証券口座などはいったん凍結され、戸籍関連書類や遺産分割協議書などを店舗に持っていって手続きをしないと遺産の引き継ぎはできないのが通常である。いくつも口座があれば、そのつど手続きが必要になる。

 被相続人が保有していた不動産なども、お金(登録免許税などの登記費用)を支払って移転登記する。これらの作業の煩雑さも手伝って、土地建物の名義変更をせずにそのまま放置されるケースも増えている。それが空き家や山林の本当の所有者がわからなくなる問題の遠因になっているとの指摘もあった。

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