法定相続情報証明制度(AERA 2017年12月25日号より)
法定相続情報証明制度(AERA 2017年12月25日号より)
この記事の写真をすべて見る

「タワマン節税」が使えなくなるなど、国税庁の姿勢は厳しい。その一方で、利便性がさらに向上する制度改正も期待できそうだ。

 相続に関する規定などを含んだ、民法の債権関係の規定が約120年ぶりに改正されることが決まった。相続税の基礎控除を引き下げ、贈与税で優遇措置を設ける流れは、消費拡大を狙ったものだと思われる。さらに、国税庁は税法の網の目をくぐりぬける裏技ともいえる節税テクニックを多くの人が利用し始めると、そのたびに、それを使えなくするように制度を変えている。代表例が今年度税制改正で実施されたタワーマンションの固定資産税の見直しだ。

 固定資産税は、マンションの階数が違っても、床面積が同じなら税額は同じ。その半面、タワーマンションの実際の販売価格は高層階になるほど上がる。

 相続税を計算する際の固定資産税評価額も階数による違いがなかった。販売価格の高い高層階を買っておけば、固定資産税評価額との違いが大きく、節税になるのである。

次のページ