と篠原さん。確かにアナキンとパドメの許されざる愛や、ハン・ソロとレイアがケンカしながら距離を縮める「ツンデレ愛」など、激しい感情を秘めながら平静をよそおう表現は、日本の少女マンガの王道に通じる。
個性的なファッションで「シノラー」ブームを巻き起こした篠原さんだが、現在は嵐や松任谷由実さんのコンサート衣装を手がけるなど、ファッションデザイナーとしても活躍中。「スター・ウォーズ」にはクリエイターとしても、「度々創作意欲をかき立てられる」という。
なかでも篠原さんの琴線に触れたのが、アミダラ女王の衣装。神秘的な文様や刺繍(ししゅう)が施された衣装は「単なる装飾というより仏像や仏堂の荘厳(しょうごん=飾り)のよう」だと感じた。
前作「フォースの覚醒」で登場したレイの衣装にも、殺陣の美しさを強調する「職人技」を感じた。森の中でレイとカイロ・レンが死闘を繰り広げるシーンでは、レイがライトセーバーを振るたびに衣装のドレープがひらりと舞い、より迫力のあるアクションに見える。
「風を意識して、殺陣の美しさが計算されている。私もダンスの振りを見たうえで衣装を微調整しているのですが、実際の殺陣でいかに衣装がダイナミックに動くかが計算しつくされているな、と感じました」
(編集部・市岡ひかり)
※AERA 2017年12月25日号より抜粋