稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
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穴が広がりボロボロになったタオル。こんな姿を目撃したのは人生初(写真:本人提供)
穴が広がりボロボロになったタオル。こんな姿を目撃したのは人生初(写真:本人提供)

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【稲垣えみ子さん「こんな姿を目撃したのは人生初」…使いきったタオルはこちら】

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 収納のない家で暮らし始めてから、「予備」を持つという長年の習慣をやめました。下着、タオル、トイレットペーパー、石鹸など、できるだけ「今使ってるものだけ」しか持たない。そうすれば収納スペース不要だからね。使い切った時点で新しいのを買いに行けばいーやと。

 で、やってみたらまったくもってそれでなんとかなるのでありました。近所のスーパーやコンビニがマイ収納。予備はあったかナと気をもむこともない。家も広くなる。誠にいいことずくめじゃないか。

 さらに効能はそれだけに留まりません。こうなると全てを「使い切る」ことになる。つまりモノの寿命をじっくりと観察することになるのです。これが実に興味深かった。

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