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「改正労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)」が施行され、パワーハラスメントへのリテラシーが求められる現在、部下への接し方に悩む人は少なくない。特に、叱咤や注意のつもりでパワハラにあたる言葉を何気なく使っているケースは多く、自身も無自覚にパワハラをしている可能性がある。ハラスメント対策専門家・山藤祐子さん監修の書籍『トラブル回避のために知っておきたいハラスメント言いかえ事典』(朝日新聞出版)からパワハラにならない叱咤・注意の言葉を紹介する。

【図で確認】「余計なひと言」を好かれるセリフに言い換えてみると

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■「こんなこともできないの!? 社会人失格だね」と叱るのはNG

相手の人格を否定するような言葉はパワハラになります。「社会人失格」「給料泥棒」などはNGワード。「誰でもできる」「ふつうはできる」も要注意ワードです。

「なんでできないの?」は、ハラスメントと思われそうな厳しい言葉ですが、「できない理由」を聞いているのであり、その後に指導、フォローをすればパワハラにはなりません。

できれば部下への期待を込め、よりよい方策をともに考える姿勢が、信頼関係を生みます。OK例は「今のやり方ではよくないと私は思う。あなたに期待しているから、どうすればいいか一緒に考えよう」です。

■「頭悪いなぁ! 何回同じこと聞くの」はNG

「頭悪いなぁ!」は、相手の人格を否定する言葉でパワハラに相当します。このほか「あなたは耳が遠いの!?」といった、相手の理解力の低さを揶揄するような言い方にも要注意。言われた側はバカにされたと感じ、信頼関係にも悪い影響を与えます。

OK例は「どこがわからない?説明するよ」です。何がわからないのかを具体的に聞き、わかるまで何度も丁寧に説明することが大切です。

■「〇〇さん、やる気があるの?そんな調子じゃ次はないから」はNG

部下にやる気がないように見えるのは、あくまでも上司の主観です。仕事への意気込みが失せていると決めつけ「次はないよ」といった、雇用を脅かすような言葉をことは不適切であり、パワハラにあたります。

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