OK例は「仕事に集中できてないようだけど……。何か打ち込めないワケでもあるの?」です。まずは冷静に相手の様子をうかがい、そのうえで問題や悩みを抱えているようなら「何か打ち込めないワケがあるの?」と、寄り添うようにケアしましょう。
気にかけてくれる上司の言葉を意気に感じれば、気持ちも前向きになるでしょう。
■「おい!名前を呼ばれたら返事をしろ。やっぱり高卒はダメだな」はNG
呼ばれても返事をしない部下の態度に、ついカッとなって放ったひと言です。とはいえ「やっぱり高卒はダメだな」のひと言は、業務に必要が無い言動で侮辱にあたり、パワハラになることも。
業務に関係のないプライベートな話題は、基本的に控えたほうがいいでしょう。
返事に限らず、部下や後輩の礼儀をわきまえない言動や、常識知らずの行いは、ただ一方的に責めるだけでは改善されません。
OK例は「呼ばれたら返事をするのが、コミュニケーションの基本だよ」です。知らないことは一から教えるつもりで、丁寧に相手と接することがリスクの回避にもつながります。
■「(何も教えないで)こんなこともできないの!?」と叱るのはNG
「言わなくてもわかる」は幻想。具体的な指導とケアが大切です。部下や後輩に初めての仕事を教えるときは、いつにも増して細やかな指示やケアが必要になります。
それを怠り、何も教えないで「こんなこともできないの!?」となじったり、とがめたりすることは、業務上の必要性や相当性に欠ける行為でパワハラに相当します。
このような相手が明らかにできないことを強要するのは「過大な要求」とみなされ『改正労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)』にも類型として挙げられています。
OK例は「最初は見ていればいいから、やりながらだんだん覚えてね」です。最初は手順を見せ、相手にやらせてみながら、具体的に指導、指示をしなければ、部下は「何も教えてくれない」と勘違いしてしまいます。
(構成 生活・文化編集部 岡本 咲)