「若い視聴者は工藤さんのすごさを知らない方がいるかもしれませんが、そのキャリアは華々しいものです。12歳のときに渋谷でスカウトをされ、芸能界入りしたのですが、歌番組でアイドルを斬る『毒舌中学生』として話題に。すぐにCM出演を果たしますが、インスタントラーメンのCMでは、『お湯をかける少女』として、セーラー服姿で大きなやかんを持って走る姿を披露。その姿が大きなインパクトを残し、一躍お茶の間の人気者となりました。女優としての活躍も目覚ましく、1985年の相米慎二監督『台風クラブ』では、体当たりの演技が注目を浴びました。また今井正監督の『戦争と青春』(91年)では、現代の女子高生と、戦争の傷あとを引きずる伯母の青春時代の2役を熱演して、多くの主演女優賞を獲得し、実力派女優と呼ばれました」(同)
■農業スタートと元刑事との再婚
工藤はいち早くハリウッドに進出した日本人女優としても有名だ。日米合作映画「ミステリー・トレイン」(89年)に出演後、ハリウッド作品をはじめ、海外映画にたびたび出演。「ヒマラヤ杉に降る雪」(99年)では、オーディションで主演の座を射止め、戦乱の時代に翻弄(ほんろう)される日系アメリカ人の女性を好演。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・サテライト賞の主演女優賞にノミネートされ、国際的な評価を受けた。
「2019年に『ダウンタウンなう』の名物企画『本音でハシゴ酒』で坂上忍さんが“共演NG”といわれた工藤さんと32年ぶりに再会して話題になったことがありました。1980年代、芸歴が短いのに、演技についてダメ出ししてきた工藤さんに対し腹が立ったと語っていました。デビュー直後の毒舌しかり、芸能人2世でお嬢様育ちだからか昔は結構とがっていたのでしょう。しかし、先輩や年上相手にも臆せずに我を通す意思の強さが、ハリウッド進出という偉業を支えたともいえるのかもしれません」(週刊誌の芸能担当記者)