FUTURE DAYS JOJO広重さん/JOJOさんが用いるのは「断易」。易というと筮竹を使う周易が日本ではポピュラーだが、断易はサイコロを使って五行(木、火、土、金、水)の力のバランスを見る。習得するにはかなり難易度が高い。JOJOさんはこれに九星気学と八卦の理論を組み合わせて占っている。(撮影/写真部・岸本絢)
FUTURE DAYS JOJO広重さん/JOJOさんが用いるのは「断易」。易というと筮竹を使う周易が日本ではポピュラーだが、断易はサイコロを使って五行(木、火、土、金、水)の力のバランスを見る。習得するにはかなり難易度が高い。JOJOさんはこれに九星気学と八卦の理論を組み合わせて占っている。(撮影/写真部・岸本絢)
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 世の中に浸透する一方で、「非科学的」と眉をひそめる人も多い「占い」。しかし、個人の選択肢が増えすぎ、経験則が必ずしも通用しない現在、「信じる」「信じない」ではない「占い」とのつきあい方があるという――。AERA10月2日号では、「占い」を大特集。金融やマーケティング、カウンセリングなどの世界で「占い」がどう活かされているかを探り、現代社会における「占い」のあり方を多角的に取材した。

 司法試験の勉強をしていた、霊感はない──。ひょんなことから占いという職業の扉を開けた、「普通」の人たちに話を聞いた。

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 世界でほぼ最初のノイズバンドとしてカルト的な人気を誇る「非常階段」のJOJO広重さんは、10年のキャリアを持つ占い師でもある。大阪と東京に占いサロン「FUTURE DAYS」を持ち、すでに弟子も70人ほどいる。

 東京のサロンは下北沢にあり、場所柄、客層は20代後半から30代前半の女性がほとんどだという。

「開業して10年、人の悩みはそんなに変わらないです。お金、仕事、出産、健康ですね。ただ、スピリチュアルなものに頼る人が増えた印象があります。男性客も増えたし、経営者の方も増えた」

 JOJOさん自身の占いとの出合いは、インディーズレーベル「アルケミーレコード」を立ち上げた2年後の1986年に、レーベル経営に行き詰まったことからだった。知人に相談したところ、断易の占い師を紹介された。それが現在のJOJOさんの占いの先生の母親だったという。

「最初に見てもらった時、僕が関西に帰るという話をしたら、『でもあなたはまた東京に帰ってくるわよ』と言われました。その時も占いの勉強を勧められたんですが、関西に帰ってすっかり忘れていたんです」

 それから6年後、スポーツカードのお店を東京に開いたJOJOさんはこの先生に再会。そこから行き来が始まり、後を継いだ息子さんに弟子入りして「諸口流断易」を8年勉強した。

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