小池都政への最初の「審判」となる東京都議選が6月23日、告示される。自民党との対決の構図も鮮明で、今後の国政にも影響を与えかねない。注目区の千代田区を歩いた。
梅雨の晴れ間の蒸し暑い一日となった今月14日、東京メトロ有楽町線の麹町駅から地上に出ると、界隈(かいわい)は昼食のために周辺のオフィスから出てきた会社員らでにぎわっていた。
都議選の告示を約1週間後に控え、ビルの壁や商店の窓ガラスには、すでに候補者を紹介する政党ポスターが貼られている。千代田区のお知らせ掲示板には、都議選の実施を知らせる広報ポスター。街中のあちこちには、告示後の届け出順に候補者の選挙ポスターを貼るための掲示板が設置されていた。
「都知事vs.自民党の決着をつける選挙という印象です。このポスターの貼り方を見てよ」
近くの企業に勤める男性(37)がそう話しながら指さした先には、地域政党「都民ファーストの会」を率いる小池百合子都知事と自民党総裁の安倍晋三首相が、それぞれの党の都議選候補者と一緒に写るポスターが貼ってあった。そう広くない壁面にぶつかりあうように貼られた2枚のポスターに、男性は、
「対決色がにじみ出てるでしょ」
と苦笑いした。
●27歳女性か34歳男性か
小池氏が自身の所属政党だった自民党の推薦候補者に大差をつけて当選した2016年7月の都知事選以降、都政は、都議会最大勢力の自民党と小池知事との対決の構図の中で進行してきた。それだけに、小池氏は今回の都議選で、定数127の過半数の議席を支持勢力で固め、都政運営の基盤を盤石にしたいと考えている。国政で自民と連立を組む公明党が都議選では小池氏と選挙協力するなど、ねじれも起きる中、自民党は「小池勢力」の拡大阻止に躍起だ。
冒頭の千代田区は、その自民党で「都議会のドン」と言われる内田茂都議の地元。対決の行方を占う象徴的な選挙区として、大きな注目を集めている。