●食生活の見直しが基本

 東京医科歯科大学医学部附属病院臨床栄養部副部長で管理栄養士の斎藤恵子さんは、

「植物を育てるにもまず土が大切で、その上に肥料を与えるように、まず土台となる食事を振り返ってほしい。食事が乱れているのをサプリでカバーしようとする頼りすぎは禁物」

 と注意を促す。「やせる」を目的にしたサプリには、特に注意が必要だと斎藤さん。

「ある特定の食品を取ってやせるのなら、それは栄養になる物ではない。そもそも食品ではなくて、“毒”であると考えたほうがいい」

 過去には、中国製のダイエット系健康食品に医薬品の成分が含まれていて深刻な健康被害をもたらしたこともある。前出の水戸中央病院・酒井さんは、

「ダイエット系のサプリに限らず、海外製品には危険な製品が交じっていることがあり、肝機能障害や急性の胃腸障害で下痢を起こす危険もあり得る」

 と警鐘を鳴らす。

 薬に近い位置付けのサプリの場合、医師、薬剤師、管理栄養士など医療の専門家の手を借りたほうがいい。身近なのは薬局やドラッグストアだ。

 国は16年から、個人の主体的な健康の保持増進への取り組みを積極的に支援する機能を有する薬局を「健康サポート薬局」と位置付け、普及を推進している。ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングスが展開する「マツキヨラボ」などがそれだ。酒井さんは言う。

「サプリの販売促進という目的もあるが、医療者が関与して対面で販売する以上、信頼は担保できるのではないか。こうした健康サポート薬局や“かかりつけ薬局”を活用してほしい」

 医師や歯科医師がサプリについて助言するクリニックも増えている。循環器専門医として食事指導に力を入れてきた登坂正子さんは16年末、未病対策を軸にした自由診療のホリスティキュア メディカル クリニック(東京都中野区)を開院した。

病気の引き金になるミネラルバランスの崩れは、個々人の体質、消化吸収能力などにより差が出てくる」と語る。

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