原材料は含有量の多い順に表示されているが、成分以外に、成型や増量、希釈が目的の「賦形剤」を含む添加物が上位に来ることがある。例えば、乳糖、結晶セルロース、蔗(しょ)糖エステルなどがそれ。微量栄養素であれば添加物が多いのは仕方ないが、肝心の成分はごくわずかという商品も少なくない。
製造原価以外では、医師の監修、著名人の広告、テレビや新聞を使った宣伝、チラシやダイレクトメールの大量配布といったものが価格を押し上げる。化粧品や衣類などの消費財と一緒で、高価であることが必ずしも質や満足度に直結するというわけではなさそうだ。
最も問題なのは、サプリの場合、副作用があってもそれが前面に出てこないことだ。
効果を高めるにはそれなりの使い方もあるが、サプリは「食品」なので1日の摂取量だけが表示され、効果的な使い方を明示することもできない。適正な使用のためには、薬を服用中の場合の相互作用やアレルギーのチェックは欠かせない。
●服薬中の人は要注意
酒井さんが挙げた特に注意すべき相互作用は二つ。まず、血栓の予防薬として多く使われるワルファリンの作用を無効にしたり高めすぎたりするサプリ。もう一つは、多くの医薬品の効能を弱めるセントジョーンズワートというハーブだ。うつ症状に効果があるとされるセントジョーンズワートが商品名になっているサプリならわかりやすいが、ハーブティーなどを調合してもらう場合、気分の落ち込みや不眠などを訴えると知らないうちにブレンドされてしまうことがあるので要注意だ。
そもそも、サプリはどんな人に必要なのか。
サプリは大きく三つに分かれる。厚労省の「国民健康・栄養調査」によれば、現代の日本人に不足している栄養素は食物繊維、カルシウムやビタミンC。女性の場合、鉄や亜鉛も不足していることが多い。だから、食生活と照らし合わせてベースサプリを補充するというのは妥当な使い方だ。