「従来はインターンシップに注目が集まっていたが、参加する学生が7、8割にまで増えて見極めが難しくなった。一方、自分でツテを探してOB・OGにコンタクトしてくる学生は2割程度。彼らは行動力があり、優秀という見方が広がった」(谷出さん)

●「盛る」必要をなくす

「VISITS OB」や「ビズリーチ・キャンパス」など、学生が企業の中で活躍する先輩を探してコンタクトできるサービスもここ1、2年で増えた。

 これまでの「たくさん集めてたくさん落とす」方式は、多くの「嘘」も生んできた。「キャリタス就活」を運営するディスコが昨年10月に17年卒の学生を対象に実施したアンケートでは、実に7割以上が「就職活動で嘘をついたことがある」と回答。ライバルの中で少しでも目立つために、嘘やエピソードの「盛り」は致し方ないとの意識が広まっているようだ。しかし、それも度が過ぎれば、働き始めてからのミスマッチ露呈、離職へとつながってしまう。

「最初から、学生も企業もお互いを見せ合って、『盛る』必要をなくそうというのが我々のサービスの思想です」

 そう語るのは、ビジネスSNSを提供するウォンテッドリーの大谷昌継・コーポレートチームマネージャー。同社のサービスを、転職だけでなく新卒採用でも使う企業が増えている。その中で昨年3月のリリース以来、人気を得ているのが、社内の出来事や社員の生の声をブログ風につづれる「フィード機能」だ。企業の「素」の姿が見える内容で、更新も頻繁。コンテンツとして面白ければSNSで拡散され、PVが10万を超えることもある。大谷さんによれば、それを見ていると、学生は自分がその会社に合うかどうか、自然にわかってくる。

「合うと思えば、ウォンテッドリーでは志望動機がなくても、『話を聞きに行きたい』ボタンを押してお茶を飲みにいけます。そこでお互いに良ければインターンや採用に進める。逆に合わない人には『合わない』というメッセージが強烈に伝わるので、まず来なくなる。結果的に、マッチングの精度も上がります」(大谷さん)

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