すがすがしさ重視の人向けHOTEL APERTO「窓がなく昼でも薄暗い」というラブホの概念を打ち砕く。高級デザイナー家具が配置され、「こんな部屋に住みたい」と思わせられる。同行者(男)は「仕事もはかどりそう」。806号室宿泊2万7800円~(撮影/高井正彦)
すがすがしさ重視の人向け
HOTEL APERTO
「窓がなく昼でも薄暗い」というラブホの概念を打ち砕く。高級デザイナー家具が配置され、「こんな部屋に住みたい」と思わせられる。同行者(男)は「仕事もはかどりそう」。806号室宿泊2万7800円~(撮影/高井正彦)

 路地の奥にある小さな入り口を、人目忍んでサッとくぐる。ラブホテルにそんな先入観を持っている人は、久々に訪ねるといい。「オンリーワン」を打ち出し進化するラブホに驚くこと必至だ。

 ラブホテルの経営情報誌「季刊LH-NEXT」を発行する「テイダン」の青木由香さんによれば、レジャーホテルとも呼ばれるラブホテルは、現在全国で7千~7500軒ほど。ピークの約8千軒から徐々に減ってきているという。

 アダルト業界は不況に左右されないというのが定説だったが、リーマン・ショック以降、それが通用しなくなった。風営法の改正と東日本大震災が追い打ちをかけ、昔の売り上げを取り戻すのは難しい状況だという。

「そういった中で、オンリーワンを目指し工夫を凝らすオーナーのラブホテルと、昔ながらの『放っておいても客が来る』と思っているオーナーのラブホテルの二極化が進んでいます。オンリーワンを目指すオーナーは、客の様々な要望により敏感になってきているのです」(青木さん)

 外国人観光客の影響で出張先のビジネスホテルの予約が取りづらい。それなら、ビジネスパーソンが一人でも泊まれる出張プランを設定する。家族連れが安い値段で広い部屋に泊まりたいと希望する。そこで観光のお手伝いもするファミリープランを打ち出すラブホテルも出てきている。

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