夫と顔を合わせる前のメールのやり取りで、まだ返信を送っていないのに2通目が届いたとき、恋愛の駆け引きのような感覚がしてドキッとした。初めて待ち合わせたときに車窓越しに見えた横顔の第一印象が「いい男」だった。

「この二つぐらいのトキメキがあればもう十分だわ」

 と、心に刻みこんだという。

「20代の頃のような劇的な恋愛は求めません。夫は私の人生に必要な人だから、大切にしたい。生活スタイルや価値観の多少の差は当然のことです」

 一方、学生時代から10年越しの恋愛をしていたリカさん(31)夫婦は、夫の両親も含めた半年間にわたる話し合いで役割分担を細かく詰め、ようやく結婚に至った。

「条件が合わなければ結婚しなくてもいいと思っていました」

 IT企業に勤めるリカさんの年収は700万円。家業を手伝う夫(31)は300万円。

「誰かに人生を預けるのは嫌。自分がボールを持っていたい」

 というリカさんが大黒柱として稼ぎ、夫が家事と育児を主に担う生活でなければ「持続性がない」と考えたからだ。男性が稼ぎ、女性が家庭を守るという価値観とは逆の【逆転婚】だ。

 結婚後は犬を飼い、子育ての「予行演習」をした。夫の家事のやり方に口を出さないルールも守っている。昇格試験を受けるため、長男の出産後3カ月で復職したリカさんを、夫は「愛夫弁当」で支えている。

「結婚して本当によかった」

 そう、2人は口をそろえる。

●結婚後に恋愛しよう

「結婚してください。結婚してから恋愛すればいいじゃないですか」

 10歳下の男性から告白され、会社員のナオミさん(45)は目が点になった。そうきたか!

 38歳で離婚してから婚活に疲れ切っていたナオミさんは3年前、一念発起して社会人大学院に入学した。実は、焦っていた。結婚したい。子どもがほしい。

 同じ大学院の男性から、勉強にかこつけて頻繁に誘われるようになっても、年の差があるため本気にしていなかった。交際を申し込まれ、

「私の年、知ってるよね? 私は結婚がしたいから、数年付き合って別れるような時間の余裕はないの」

 といなしたら、返ってきたのが突然のプロポーズだった。さっそく自分の両親に話して同意をとりつけた彼の行動力に感服し、数日後にOKの返事。デート1回、セックス1回で婚姻を届け出た。出会ってから2カ月のスピード婚だ。

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