だが、若手世代からすれば、上司世代のコミュニケーションに「世代間ギャップを埋める丁寧さ」があるとは思えない。ネット通販会社のアルバイトの女性(24)は、作業でわからないことを上司に聞くと、必ず、「自分で考えろ」の一言で片づけられる。「背中で学べ」というメッセージのようだが、ヒントがなさ過ぎて、どう対処していいかわからない。
「そんなことしてたら、いつまでたっても好みのやり方になんてなりませんよって言いたくなる。最適解を知っているなら、最初から教えてほしい」
世代間ギャップはコミュニケーションに限らない。服装のカジュアル化が進み、仕事にふさわしい格好をめぐっても、世代間で意見が対立しがちだ。
教育系企業に勤める女性(38)は手厳しい。
「若手はTPOがわかっていない。自分の好みや都合を優先し、周囲にどう思われるか考えてない」
一方、若手からすれば、「40代の上司はスーツにネクタイを強要するけど、同じような仕事をする他のチームはチノパンにシャツみたいな感じでもOK。なんでダメか、わからない」(男性会社員、26歳)
※AERA 2015年8月31日号より抜粋
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