「時間制約のある中で成果を出す力や、褒めて育てるマネジメント力が増す。子育ては、管理職にとって必要な資質をはぐくんでくれると言えます」
子育て中の女性は、効率化を駆使して成果を上げているのに、アピールが下手で評価されていないケースが多いと小室さん。例えば、上司に一日の仕事の段取りを「朝メール」、その成果を「夜メール」し、会社にいる時間は短くても成果が出ていることを「見える化」することを勧める。その結果、上司からも信頼され、大きな成果につながる「筋のいい仕事」を任されるようになり、評価も上がる好循環が生まれるという。
「子育てだけではなく、親の介護で時間制約を抱える人も増えてきている。従来のように、長時間労働で成果を出す働き方は今後、男性も女性もできなくなる。子育て女性に、限りある時間でパフォーマンスを上げる管理職の先駆者になってほしい、と期待する会社は多いです」
人材派遣会社パソナで営業部門のチーム長を務める矢野美紀子さん(39)は、32歳で100人の部下を抱える部長と執行役員に抜擢された。将来出産も考えていたので、打診された時は不安もあったが、上司の言葉に後押しされた。