「管理職になれば見える景色が変わって、仕事が楽しくなる」

 と先輩にも勧められたが、「見えなくなるものもある」と感じる。部署の人数減や非正規社員の増加……職場は疲弊しているのに、上司からの指令は現場の実情をわかっていないものも多い。管理職になって、自分がそんな指令を飛ばす側には行きたくないというのも本音だ。

 様々な理由で管理職に消極的な女性に対し、キャリアカウンセラーの藤井佐和子さんは言う。

「不況世代で過去に成功体験がないこと自体が武器。過去にとらわれない新しい発想で新規事業を提案したり、職場の働き方を変えたりできる。ナナロク女子に会社の変革を期待する経営層も多い。不満を言う側ではなく、社内風土を変える側になる勇気を持ってほしい」

 自信が持てない場合は、社外のセミナーや勉強会に出ることを勧める。意識の高い人と交わることで意欲が湧く。ロールモデルがいないと悩む女性も多いが、社外に目を向ければ必ず見つかるはずだという。

●均等法世代のようにはなれない

 ナナロク女子が気後れする大きな理由が、40代半ばから後半の男女雇用機会均等法世代の存在だ。男女差別が残り、企業で女性が活躍することが難しかった時代に、道を切り開いてきた女性たちだ。

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