日々の仕事に追われていたら、ずるずると会社にい続けてしまう。まずは2カ月ほど休暇を取って転職活動をするつもりだ。同時に婚活もする予定で、キャリアプランはまだ見えない。
前出のCさんは、昨年転職した。前職は深夜残業が当たり前でがむしゃらに働いてきたが、入社10年がたったころ、やりがいが急速になくなった。社内を見渡せば管理職になってまで働いているのは独身バリキャリ女性がほとんど。自分も出産したら間違いなく仕事を辞めるだろうと思った。
転職活動では、育休を取って働き続ける女性がいるかを聞いた。細く長く働くためだった。転職先の専門商社にいま1年勤める。夜7時には全員帰宅する社風で、残業代がない分収入は減ったが、ストレスは減り、出産しても働ける自信が持てた。この春に結婚の予定だ。
「ナナロク世代は転職するなら、年齢的に今が最後のチャンス。プライベートでも変化の時期なので、将来を見据えて転職に迷う女性は多いと思います」
前出のキャリアカウンセラーの藤井さんも、この世代の女性から転職の相談をよく受ける。女性は特にスペシャリスト志向が強く、自分の今の仕事に不満があると「今の部署に残るか、転職か」で迷う傾向があるという。だが、転職にすぐ踏み出すのではなく、社内を見渡して他の部署も検討することが大事だという。最近は社内公募を導入する企業も多いので、チャレンジしてみることも勧める。
女性活用機運の高まりを受け、女性の転職市場は活況を呈している、と転職サイト「ビズリーチ」の広報、田澤玲子さん(37)。自身もナナロク世代で、この世代の女性が仕事やプライベートで悩む気持ちはよくわかるという。
「急速に進む女性活用で、女性の管理職を求める企業は多い。マネジメント経験があるかないかで、転職の機会にも大きな差がある。満足いく転職をするためにも管理職経験は必要です」
管理職に一歩踏み出すかどうかで、人生が変わるかもしれないのだ。