その原因は、同じチームにいる30代のワーキングマザー。優秀でやる気があり、育児休業から復職後も時短勤務をとらずに働く。自宅で作業したり早朝に出社したりもしている。そんな彼女でさえ、周囲から見れば「迷惑な存在」だ。
残業できないのが最大のネック。急な依頼やトラブルが夕方以降に舞い込むと、彼女以外のメンバーでカバーする。Fさんはいつでもフォローできるように自分が引き受ける仕事をセーブし、彼女に匹敵するメンバーを育てるため後輩を必死に指導している。
今の仕事は「フォロー屋」で、やりがいは激減。家庭や子育てを重視しながら契約社員として働くくらいが、ストレスも少ないだろうと感じる。
「正社員だけど迷惑をかける人より、契約社員だけど意外と使える人のほうがいい」
大手企業で働くGさん(37)は管理職。子どもが4歳になって少し余裕がでてきたので、仕事にギアを入れたいが、堂々とアピールできないのが悩みだ。同じマネジャー職の独身女性は、残業も出張も可能。必然的に彼女に、重要な案件が回っていく。
「朝4時起きで仕事をしていますが、残業できない後ろめたさがあって、『こんな仕事をしたい』とはなかなか言えません」
子育てしながら管理職は無理なのか。悩みを抱える人は多いが、前出の小室さんは、著書『子育てがプラスを生む「逆転」仕事術』で、子育てはむしろ仕事の武器だと説く。