アディダスフットサルパーク川崎で「なでし個サル」を終えた参加者たち。初参加者も、1時間半で打ち解けていた(撮影/小内慎司)
アディダスフットサルパーク川崎で「なでし個サル」を終えた参加者たち。初参加者も、1時間半で打ち解けていた(撮影/小内慎司)
最初の10分で鬼ごっこや自己紹介を終えた後はチームに分かれて4分間の試合を繰り返す。かなりの運動量になる(撮影/小内慎司)
最初の10分で鬼ごっこや自己紹介を終えた後はチームに分かれて4分間の試合を繰り返す。かなりの運動量になる(撮影/小内慎司)

 ナイターの照明に輝く人工芝のピッチでボールを追う。ゴールが決まるたび、笑顔でハイタッチ…。「個サル」を楽しむ女子たちだ。

 個サルとは、個人の参加者同士が当日チームを組み、フットサルの試合を行うことだ。サッカーに比べて小規模・少人数で気軽に参加できる。10年ほど前に誕生、男女混合ルールが設けられ、女子も参加するようになってきたが、ここ数年、女性のみで行う流れが生まれている。

「(2011年7月の)なでしこジャパンのW杯優勝がきっかけではないでしょうか」と、11年末から女性限定の「なでし個サル」を始めたスポーツ施設「アディダスフットサルパーク川崎」の青塚正浩ディレクターは話す。月2回、平日夜に参加費1500円のクラスを開く。仕事帰りの会社員を中心に、ほぼ毎回定員20人が埋まる。

 どんな人が参加しているのか。フットサルパーク川崎の利用者に聞くと、「もともとはサッカー観戦好き」が多かった。

 流行のヒョウ柄のウエアが似合う看護師の森美紗さん(30)は友人に誘われて今春から始めた。2週間に1度のペースで通うが、

「本当は毎週来たい。運動になるし、楽しいし、ストレス発散にもなる。パスはあまり来ないけど、この人に決めてほしいと思った相手にパスがつながってゴールが決まると、なんか『つながってる』って感じる」

 女子サッカー経験者の看護助手、平松幸恵さん(27)も魅力は「チームプレーの体感」と話す。

「知らない人同士でも数分パスを交わすうち、どういうプレーをする人か分かってくる。今日初めて出会った人と意気投合できる点が、ただの運動とは違う」

 独身者だけでなく、ママもはまる。主婦の高谷理花さん(37)は長男のサッカースクールで開かれた教室がきっかけで始めた。チーム練習とは別に、片道1時間かけて、時折個サルに通う。

「年齢に関係なく、いろいろな人がいて、子ども抜きの友達ができるのもうれしい」

AERA  2013年12月16日号より抜粋