ロッテのドラフト1位の佐々木朗希や、ヤクルトのドラフト1位の奥川恭伸は球団方針もあってじっくりと調整を重ねている。この2人には、将来、大輔のように体が動かなくなるのだから、今から柔軟性を含めてどう体全体を使えるかをしっかり身につけていってほしい。35歳を過ぎて勝てなくなるか、40歳過ぎまで勝てる投手になるのか。大輔のころと異なり、高卒1年目から200イニング投げるようなことはない。だからこそ、その時間を有効に使ってもらいたい。
今年は開幕から7月中旬で1度シーズンが中断される。3週間もの中断期間があるのだから、もはや前後期制といってもいい。まず、前半の4カ月を全力で走ることである。疲労がたまった選手がいても、3週間あれば立て直せる。もし、疲労が抜けないようなら、その時には2軍からフレッシュな人材を投入すれば良い。佐々木や奥川を五輪明けに1軍デビューさせることも、両球団は視野に入れているだろう。
次回のコラムでは、キャンプで視察した様子も伝えられると思う。2月上旬から沖縄も宮崎も天候が良く、各球団ともに調整が順調に進んでいる。特にアピールが必要な若手は、仕上がりが早く、第1クールから打撃投手も務めている。もちろん、大輔とも調整についてじっくり話をしたいと思っている。
※週刊朝日 2020年2月21日号