「大河は、私が今まで携わってきた映像作品の中で、一番作り方がオーソドックスで、王道だなと感じました。例えばカット割り一つとっても、カチッと決まっていて、事前に用意された画の枠組みの中に、自分を当てはめていく印象が強い。それは一見窮屈なようでいて、いざその中に入ってやってみると、『枠組みの中でなら、好きに暴れていいですよ』という、すごく自由度の高いシステムだった。ここまではOK、でもこれ以上はダメですよ、という境界がはっきりしていて、『私、意外とこのやり方好きだな』って思いました」
役者が一生の仕事であるという自覚は、まだ持ったことがない。ただ、俳優としてこうありたいという、何となくのイメージはある。
11日から始まる舞台「ねじまき鳥クロニクル」は、「わたしは真悟」と同じプロデューサーの作品だ。「あの作品がなかったら、この作品との出会いもなかった」と彼女は言う。
「演じることが好きだからこの仕事を続けたいというよりも、そうやって、一つの出会いが次につながっていくことが、私の女優の仕事を続けるエネルギー源です。今は私が大河ドラマに出ているので、何かの拍子にこの舞台のことを知って、『あ、あの大河に出ている子が舞台をやるなら観に行ってみようかな』と思ってもらえるかもしれないじゃないですか。それで、もし楽しんでいただけたら、次にインバルさんの新作ができた時に、『あの時の舞台が面白かったから、また観てみよう』と思ってもらえるかもしれない。そういう興味や関心の輪を広げていけるような存在になれたらいいなというのはあります」
日常生活でのルーティンはあるかと聞くと、「毎日欠かさずやっていることは、青汁を飲むことぐらい。5年前に、急性喉頭蓋炎になってポリープを切除したんですが、それ以来、何をするにも身体が資本だということを痛感して。健康維持のためにはお金を惜しまないようにしています。なので、エンゲル係数がちょっとおかしいことになってます(笑)」。