一昨年の正月時期にスマッシュヒットを飛ばしたコメディー映画「嘘八百」。第2弾となる「嘘八百 京町ロワイヤル」が1月31日から公開される。憂さを吹き飛ばす笑いを生み出すコメディーの神髄とは──。中井貴一さん、佐々木蔵之介さんに本作からキャストに加わった広末涼子さんの鼎談をお届けする。広末さんは最初、現場の雰囲気に驚いたという。
【「あり得ない」中井貴一&佐々木蔵之介が「嘘八百」撮影で驚いたこと】より続く
* * *
広末:本読みからスピード感と一体感があり、圧倒されました。
佐々木:そうだった?
広末:お二人の空気ができあがっていたので、そこに飛び込むのは緊張しましたし、勇気がいりました。現場でもいきなり本番、と勢いがあったので、実際はついていくのが精いっぱいでした。「前作は16日間という短い期間で撮っているから覚悟をしておいたほうがいいよ」と、うかがっていたのですが、実際、ダーッと撮ってパーッと解散して、また次の日も暗いうちから準備して……。短期集中、短距離走のようでした。
――さえない日々を送るコンビとはいえ、中井さんは目利きの古美術商、佐々木さんは腕のいい陶芸家。そして、広末さんは茶道をたしなむ謎の着物美人という役どころ。それぞれ役作りには工夫や苦労があった。
中井:今回は舞台が京都です。前回もそうでしたけど、撮影していた部屋が本当に寒かったんですよ。コタツに入っているシーンは本当にコタツから出たくない。そこで撮っているから、うたた寝するシーンは本当にリアル。全ての状況から役が自然に体に入ってくるような感じがありました。でも、蔵之介くんは器用なんでしょうね。陶芸家を演じた最初からうまかったですもん。「いそうだな、こういう人」って思いましたよ。
佐々木:陶芸家は前回が全く初めてだったんです。だから陶芸家に見えなくてはいけないと、怖かったですね。今回は普通のろくろではなくて、足で蹴ってろくろを回す「蹴ろくろ」というものを使わなくてはならなかったんですが、これがまた手ごわかったんです。
広末:普通のろくろとは全然違うんですか?