けれど弁護士対応になってからもしつこくコールセンターに電話をかけてくるお客様は多い。それは、弁護士は「お客様」扱いをしてくれないからだ。淡々と事務的な、また法的な対応を取るだけだ。
何度もコールセンターに電話をしてくるお客様に「弁護士とお話しください」と言っても「弁護士は嫌だ! 俺はコールセンターの人と話したいんだよ」と半ば泣きつかれることもある。それは「俺をお客様扱いしてくれ!」と叫んでいるようにも聞こえるのだ。
けれど弁護士対応になってしまったお客様に優しく接するオペレータはいない。何を言われても「ここではお話しできません」と電話を切られる。電話を切る時に聞こえてくるのは、いつも絶望したような、無念そうな唸り声だ。
「俺はお客様だから偉い」という認識の元で、相手に好き放題してきたお客様の末路は、皮肉にも「お客様」として扱われなくなってしまうことなのだ。