慶應の法科大学院は今年の司法試験の合格者数で東大や京大を抑えて1位、合格率でも京大、一橋大、東大に次ぐ4番目。当然、法学部の評価も高い。法曹関係を目指す受験生は、そのあたりを押さえて入学先を選んでいるのだろう。
■早大内の“序列”に異変? 文構の人気が文を凌駕
今回は改革が進む早稲田に注目し、大学内での併願データを分析した。文学部と文化構想学部のW合格を見ると64%が文化構想学部を選んでいた。この数字に驚く卒業生も少なくないだろう。
「文化構想学部と文学部の受験生の評価は五分五分になっています」
こう言うのは文化構想学部の宮城徳也教授(広報担当)だ。大学内で把握している数字でも肩を並べる傾向がみられるという。
かつて早稲田大の戸山キャンパスには第一文学部(一文)と夜間開講の第二文学部(二文)があった。いずれの学部からも作家の辺見庸(二文卒)や小説家の村上春樹(一文卒)、俳優の吉永小百合(二文卒)など数多くの著名な文化人が輩出している。
2007年、一文と二文が再編。伝統を色濃く引き継いだ「文学部」と、一文・二文の流れをくみながら現代社会をテーマに幅広い学問を学ぶ「文化構想学部」になった。しかし、文化構想学部は当初、昼夜開講だったこともあり「二文の後継」と一部の受験生から敬遠されるきらいもあった。
それが現在、偏差値では71.3と文学部と同じ。学生が興味のあるテーマを幅広く学ぶことができるカリキュラムに加え、文学部の授業も履修できるので、評判が高まったという。
「文化構想学部は時代のニーズを意識してカリキュラムを作っている。今後も文学部と切磋琢磨して、社会に優秀な人材を輩出していきたい」(宮城教授)
■受験生の志向はっきり 国際系学部で逆転現象も
価値観の多様化で受験生の志向も変化し、「やりたいこと」を重視して進学先を選ぶ時代になった。そんな昨今の受験事情は、いま人気の国際系学部のW合格のデータからも見てとれる。