「資格喪失後3カ月以内の死亡、もしくは資格喪失後に傷病手当金か、出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったり、これらの継続給付を受けなくなってから3カ月以内に死亡した場合でも、埋葬料を受給できる」(ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏)
国保の「葬祭費」の受給に際して必要なのは葬祭費支給申請書と亡くなった人の保険証、印鑑、預金通帳、喪主か埋葬を行った人の本人確認書類と自身が埋葬等を行ったことを証明する会葬礼状や領収書、そしてマイナンバーが確認できる書類だ。これらに葬儀の領収書を添付して市区町村の窓口に申請すること。
協会けんぽの場合は、健康保険埋葬料支給申請書と亡くなった人の戸籍謄本、住民票、埋葬許可証ないしは死亡診断書のコピーなどが必要になる。「亡くなった人に家族がいない場合に支給される埋葬費は“親族”でなくても申請可能」(同)な点も覚えておきたい。
■高額療養費
一定額を超えた高額療養費 相続人が自治体に請求できる
長い入院や治療の果てに、死を迎えるというケースは少なくない。高額な医療費がかかっていても、健康保険の「高額療養費」制度で負担を抑えられる。
社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小野みゆきさんは、高額療養費についてこう解説する。
「病院の窓口などで支払う医療費が一定額を超えると、超えた分の払い戻しを受けられる制度です。本人が亡くなった後でも、相続人が請求することができます」
75歳以上の人が加入する後期高齢者医療保険では、外来なら月1万8千円、入院や配偶者などの医療費を合算する場合は5万7600円を超えた分が払い戻しの対象となる(一般的な所得の人の場合)。
現役世代の高額療養費制度では原則として加入する健康保険にそのつど請求する必要があるが、後期高齢者医療保険では手続きが簡素化されていることが多い。
「自治体により異なりますが、払い戻しの対象になると自動で登録した銀行口座に還付金を振り込んでくれたり、請求手続きを促す案内を郵送するところもあるようです」(小野さん)