住んでいる自治体ではどのような方式を採用しているか確認し、請求の必要がある場合には忘れずに自治体の窓口で請求するよう家族にも伝えておきたい。

 自動で還付金を振り込んでくれる自治体であれば、なにもしなくてよいかというと、そういうわけにもいかない。本人の死亡によって振込先の銀行口座が凍結されてしまうと、入金を受けられないからだ。還付は後払いで、2~3カ月後の振り込みになることが多いので、その分の還付金が振り込みできずに宙に浮いてしまうことになる。

「振り込みできなかった場合は郵送で通知されますが、故人が一人暮らしで受け取る人がいない場合や家を処分している場合は受け取れなくなってしまう」(同)

 小野さんは、一人暮らしの人が亡くなった場合は、郵便物を遺族の家に転送する手続きをするよう勧める。

 ちなみに、介護を受けていた人は「高額介護サービス費」という制度が利用でき、高額療養費と同様に自己負担額が一定額を超えた分が払い戻される。また、医療と介護の両方を受けていた人には「高額医療・高額介護合算療養費制度」があり、年単位の計算となるが、高額療養費や高額介護サービス費の払い戻しを受けた人も対象となるので、あわせて確認しておきたい。

週刊朝日  2019年10月25日号より抜粋

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