五輪の華、マラソン。2020年東京五輪マラソン日本代表の男女2枠を決める一発勝負の大レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が9月15日に開催され、男子は駒大出身の中村匠吾選手(26)=富士通=が優勝し、代表内定を勝ち取った。走り終わった後、駒大時代の恩師、大八木弘明監督に抱きかかえられ、頭をなでられるシーンが感動を呼んだ。
駒大関係者はこう語った。
「うちの大学では盛り上がってますよ。大八木監督のスポンサー企業との金銭関係は、勝つことによって正当化されています。監督個人のスポンサー企業とのアドバイザリー契約も、結果オーライになっています」
週刊朝日は昨年12月7日号で、大八木監督と複数のスポンサー企業とのアドバイザリー契約が、長谷部八朗学長ら大学幹部から問題にされた事態を報じた。
その事態とは、昨年7月、都内のホルモン焼き店に長谷部学長、駒大野球部OBで元DeNA監督の中畑清氏ら5人が集まり、大八木監督に肩たたきとなる「辞職勧告」をした。その後、大八木監督は反撃に出て、「学長からパワーハラスメントを受けた」と、駒大内部監査室長宛てに「内部監査申し立て書」を提出した――というものだ。
本誌が報じてから約10カ月――。
MGCで優勝した中村選手は卒業後の今も駒大で練習し、大八木監督も中村選手が所属する富士通でコーチをしているという密な間柄だ。
中村選手は駒大時代、2年時から3年連続で箱根駅伝に出場していたので、メディアから箱根駅伝から東京五輪へ出場する選手として紹介された。
MGCのレース後の記者会見では、大八木監督に関して、
「大学3年の時、大八木監督から『マラソンでオリンピックを目指す。一緒にやらないか』と声をかけてもらって、非常にうれしかった。一緒にこの監督と目指せれば、本当にたどり着くんじゃないかなと思いました。こうして内定することができて、少しでも指導に対して恩返しができたのかなと思っています」
と語った。