エーテンラボが運営するみんチャレは、そんな意志弱めな方にこそ、“三日坊主防止”アプリとしておすすめしたい。

 みんチャレは、目標を同じくする匿名の5人が、アプリ内で一つのチームになる。メンバー同士がお互い状況を報告し合ったり、励まし合ったりして一緒に目標達成を目指すアプリだ。

 もともと健康管理やダイエット、資格取得に向けた勉強などで活用されてきたみんチャレだが、昨年10月、エーテンラボは製薬会社のMSDと業務提携を結んだ。医療機関・医療従事者を通じて糖尿病患者にみんチャレの利用を促進し、治療継続率向上を目指すことにしたのだ。

 提携に合わせて、みんチャレには「糖尿病改善」というカテゴリーが新設された。現在は約1500チームが糖質控えめの食事や、日々の運動継続に挑戦している。匿名の人たちが集まって、励みになるのかと思うが、「かえって見ず知らずの人のほうがいいこともあります」と、エーテンラボ代表取締役CEOの長坂剛氏は話す。治療中の持病というデリケートな話は、あまり周囲の人には知られたくないものだ。かえって知らない人同士のほうが気楽に励まし合ったり、情報交換したりできるという。

 みんチャレでは日々の目標達成の証拠として、食べた物や運動の様子などの写真を、チームに送信する。それにコメントやスタンプがつくことが継続への後押しになる。

「糖質控えめの食事にはよく豆腐やブロッコリーが使われます。私はこんな料理を作ったと、レシピのアイデアを交換し合っていますね」と、自身もみんチャレを利用する長坂氏は言う。

 みんチャレの取り組みは、糖尿病治療にプラスの影響を及ぼしている。

 今年2月、糖尿病改善カテゴリーの利用者にアンケートを実施した。すると糖尿病治療で参照されるヘモグロビンA1cの平均値が改善していた。また3分の2の人たちが運動へのモチベーションが上がり、6割超の人たちが食事内容改善へのモチベーションが上がったと答えていた。

 以上、糖尿病ケアに役立つ3つの無料アプリを紹介してきた。カロリーママで食事と運動の全体を把握、ウェブジムで隙間時間にちょこちょこ運動し、みんチャレで励まし合って三日坊主を防ぐ。楽しく前向きに、日々の運動や食事改善に取り組んでほしい。(ライター・五嶋正風)

週刊朝日  2019年9月27日号