食べる場所で適用税率が変わることを伝えるポスター。(日本フランチャイズチェーン協会がコンビニエンスストア向けに作成)
食べる場所で適用税率が変わることを伝えるポスター。(日本フランチャイズチェーン協会がコンビニエンスストア向けに作成)
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楽天で売れているカレンダー(楽天提供)
楽天で売れているカレンダー(楽天提供)

 10月の消費増税10%が迫るなか、どんな商品が売れているのだろうか。

 ネット通販「楽天市場」で8月1~20日に前年同期比5倍を超える売れ行きだったのがカレンダー。といっても日用品ではなく、アイドルタレントやアニメキャラクターもので、ファンが一気にまとめ買いしているという。楽天市場トレンドハンターの清水淳さんはこう話す。

「ひとりで5本とか6本とか買っていて、1本2000円なら5本で1万円になります。毎年発売は8、9月が多いのですが、こんなに動いたのは初めてです」

 同じく3倍近く売れたのがゲーム用機器。背景には東京五輪・パラリンピックが迫っていることや、eスポーツ人気もあるようだ。同2.4倍の売れ行きだったのはリフォームで、お風呂などの改装は高額になる。清水さんはパソコン関連商品の動きがいいという。

「ウィンドウズ7のサポートが間もなく終わることや、東京五輪への準備で企業がテレワーク導入を進めていること、さらにeスポーツがはやり始めており、障害のある方や高齢者でも楽しめることもあります」

 消費増税では食品は8%に据え置く一方、外食は10%に上がる。自宅で食べるための関連商品の販売が増え始めていると清水さんは指摘し、レシピ本や大型冷蔵庫、タッパー、食洗機などを挙げる。

 一方、通常は秋からの冬物商戦を、今年は前倒すところも出ている。イオンリテールはホームファッションブランド「ホームコーディ」で秋冬物商品の約500アイテムを8月19日から本格展開させた。昨年は9月下旬だったという。

 狙いについて、広報担当者は「増税前に早めにお客さまに購入を検討していただく」と話しており、主力の掛布団は好調という。

 イオンリテールでは、設置が必要なエアコンなど大型の商品は3月くらいから前倒しで動きが出ており、増税2~3カ月前には冷蔵庫などの大型家電の動きが良くなっているという。

 西友は消費増税が迫るなかで消費者が買い物をしやすくなるようにと、8月22日から順次、値下げに踏み切った。全国の西友・サニーと楽天西友ネットスーパーの対象約4000品目のうち、600品目以上をさらに値下げ。

 増税を目前に控えて、前倒し需要の取り込み合戦は過熱しそうだ。
(本誌 浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事