鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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※イメージ写真です (Getty Images)
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 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は覚悟を決め検査を受けた日々を綴る。

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 この数年、肺に影があると毎回言われて精密検査。今回、言われた病名が間質性肺炎。初めて聞いたこの言葉。間質性肺炎とは、肺胞の壁に炎症や損傷が起こる病気の総称だそうです。そこのお医者さんに、間質性肺炎の中の「特発性肺線維症」の可能性があると言われました。いろいろ聞いていくと、かなり厄介な病気。自分で調べてみると、これは肺胞の壁が硬くなるもので、それを線維化と呼び、一度線維化した部分は元の軟らかい肺に戻ることはない。進行しているこの病気の場合は、5年生存率は30%とされている……と書いているじゃないですか。5年生存率30%? え? どういうこと? その病気の可能性あり? え? え? それだけ重い病気だとしたら、もっと重い感じで言うんじゃないの? けっこう軽く言われたんだけど。あとで聞くと、病院によってはがんなども、あえて重く言わずに、普通に伝える医者もいると。正直、全然自分で受け止められず。人生で初めてリアルに死ぬことを考えました。

 5年生存率30%? てことは、この病気だったらもっと早く進行して死ぬこともあるということ? 妻と息子の顔が浮かびます。その夜、知り合いに会い、そのことを伝えると、言いました。「実は僕も前に同じような病気だと伝えられたのですが、そのお医者さんの言い方はないかなと思います」と。そして、自分が通っている病院を紹介してくれると。聞いてみると肺の名医

 病院を予約し、診察してもらうことになりました。診察までの2週間。正直、全然仕事をやる気にならず。自分の人生の中で、ちょっと大変なことをやめることにしました。まず、10年間勝手に義務化して毎日書いていたブログ。これをやめました。そして、しんどいスケジュールの中で無理やり入れていた食事会と打ち合わせを全部キャンセル。書かなきゃいけないと思っていたけど、進まない書き物。全部やめました。書いて楽しいものは書く。そうしたら、気持ちがめちゃくちゃ楽になりました。ストレスって日頃の小さなモヤモヤがたまってできているものなんだと体感しました。

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