1948年?

 そう、この2年後に北朝鮮と韓国のあいだで朝鮮戦争が始まった、と言えば、初歩的な歴史を知らない現代日本の若いテレビ報道人も、知識の一滴を飲んで、自分たちが見ている北朝鮮と韓国の関係について、多少は目が覚め始めるだろう。

 韓国は、1993年まで軍事独裁政治がおこなわれてきた国である。日本は戦後にGHQが乗り込んできて、治安維持法を廃止したため、やむなく民主化されたが、韓国は日本より後進国だったのだ。そこで2003年の盧武鉉政権時代から、国家保安法を廃止させようとしながら、朴槿恵(パク・クネ)=前大統領=たちの保守派が抵抗して、いまだに廃止できない。日本人も韓国映画『弁護人』を必ず見なさいと私が言うのは、この世に拷問なんてあってはならない、というとても分かりやすい話だからである。文在寅大統領を批判するような日本のテレビ報道界には、人間の血が通っていないと私が感じるわけがそこにある。

 安倍晋三たちが、特定秘密保護法を制定して国民の目をふさいでも平然としている日本人と、日本人が生み出した国家保安法をいまだに廃止できない韓国と、どちらがいいかって? どちらもおかしいんだろ? 問題は北朝鮮ではないんだろ? ならば、他国の悪口はいい加減にして、もう喧嘩はしないようにしたらどうかねと、言ってるんだよ。軍国主義なんて、もうたくさんだ、と言ってるんだよ。

 軍事力というのは、いきなり使われるのではない。「わが国を守るため」と宣言して戦争が始まるのが不文律だ。その開戦のレールを敷くのは、国民を戦場に駆り出す目的のため、人間を洗脳する報道界なのだから、軍人の血気を諫(いさ)めるシビリアン・コントロールの役割がどれほど重要であるかについて、私のような人間が、頭のいい報道界に説教する必要はないはずだ。

 文在寅大統領がめざしてきたのは、昨年韓国の平昌(ピョンチャン)オリンピックに「南北合同チーム」が参加した通り、同じ民族同士が対立させられてきた南北朝鮮の平和的統一という、最大の難しい問題なのだから、韓国政府批判はやめなさい。

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歴史を知らなすぎる日本のテレビ報道界