ボクシング界全体で支援活動をしてきて、だんだんわかってきたんだけど、偏見が捜査に影響してるんだよね。「ボクサーだから、やったに決まってる」って。今でもボクサーっていえば荒くれもののイメージがあるけど、それが悔しくてさ。
――もう一度20歳に戻ったとしたら、またボクシングをやっただろうか。
ボクシングを選んだかどうかはわからないけど、がんばればがんばっただけ何かをつかめるっていう道に、きっと進んだだろうね。
とにかくボクシングに全力で打ち込んだから、運を引き寄せることができたと思ってる。ほかのスポーツや仕事だったとしても、がむしゃらに不器用にやっただろうね。そんなやり方しかできないから。
ただ、漁師だけは無理だったな。人生、努力じゃどうにもならないこともあるんだよね。
(聞き手/石原壮一郎)
※週刊朝日 2019年6月21日号

