そうならないための出発点は、時代の空気を疑うこと。正義といわれるものも疑うべきです。それはただ「力を持つ人が言うこと」に過ぎないのかもしれないからです。
本当に自由な人とは、自分で考えることができる人です。自分で考える人は自分を信じることができる人です。自分を信じる人は自分を疑うこともできる人です。
不安感をなくすには、自分自身に頼る以外にありません。判断基準は、あなた自身なのです。現状を疑い、より良い未来について考え続けること。それを繰り返すことで、今より良い社会に近づくはずです。
未来を悲観視しなくてもいい。人類は、進歩しているから。100年後の人類はきっと今より良い世界を創っているだろうと思いますよ。
この連載は今回で終わります。もともと、よそ様の相談事に助言するなど、おこがましいにも程があると思っていました。実際、お役に立つ回答はほとんどできなかったと思います。
しかし、ご相談に対して、どうお答えするか考える中で、私自身の考えを深めることはできたように思います。ご相談をお寄せくださった方々には感謝申し上げます。
また、全国至る所で「針路相談、読んでますよ」というお声もかけていただきました。読者の皆様にもお礼申し上げます。ありがとうございました。
※週刊朝日 2019年6月14日号