日に日に日差しが強くなり、紫外線が気になる季節がやってきた。小麦色に焼けた肌が健康美ともてはやされたのは遠い昭和の時代で、今は焼かない「色白」派が多数を占める。日傘や、日焼け止めを顔や体に塗るといった対策に加え、最近では、飲むタイプの日焼け止めが注目を集めている。
日本最大のコスメ・美容の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイル(東京都港区)のリサーチプランナーの西原羽衣子さんは、「2016年あたりから、徐々に商品が出回り始めた」と、同社のデータベースをもとに振り返る。
「このころは“焼かないサプリ”という言い方をしていますね。どちらかといえば美容皮膚科医が監修するドクターズサプリとして販売されていたようです。それが、18年になって大手の医薬品・化粧品メーカーがこの手の商品を発売したことで、一気に関心が高まり、ドラッグストアなどでも手に入るようになった。これで一般の消費者にも広がり始めました」(西原さん)
試しに、アットコスメのウェブサイト内の検索で、「飲む日焼け止め」というキーワードを入れてみると、該当する商品が30種類あまりピックアップされてきた。内容量によって異なるが、価格は千円台から1万円台と幅広い。都内のドラッグストアを訪ねてみると、数種類の商品が「日焼け止めサプリ」と記されたポップの説明とともに並んでいた。
地表に届く紫外線には、波長の長さによって大きく「UVA」と「UVB」の2種類がある。UVとはウルトラバイオレット、つまり紫外線の略語だ。おなじみの塗るタイプの日焼け止めは、この紫外線が肌の奥に到達する前に、何らかの方法でカットしてくれる。
現在、市販されているものに含まれるのは、紫外線を肌の表面で反射させる「散乱剤」と、吸収する「吸収剤」の二つ。いずれの日焼け止めにも、UVBをカットする指標SPF(1から50+まであり、数値が大きいほど効果が高い)や、UVAをカットする指標PA(+~++++の4段階)がある。