

作家・室井佑月氏は、日本社会に広がる貧困問題について、関心を寄せない層がいることに疑問を投げかける。
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先週は貧しい人が増えたのでは、という話を書いた。この国を動かしている人たちに、困っている人の声は届いているんだろうか。
野党議員はこの国の貧困問題について、ちょくちょく取り上げてはいる。けれど、問題が解決するまでには至らない。その声が広がっていかない。
人の行動範囲は思ったよりも狭い。裕福な人たちには、困っている人たちが見えていないのか?
日本の国会議員、女性議員の割合は衆議院で10.2%、参議院で20.7%(2018年)。世界の193カ国の中で、165位(18年)とかなり低いんだそうだ。
ふと思う。この国を動かしている国会議員、女性の数が増えれば、まだマシになるんじゃないかと。
今は男性も家事や育児に参加するようになったというが、それでも家事や育児をしているのはほぼ母親。だから、よっぽどの事情がなければ、離婚しても子の親権は母親のものになる。
毎日の食材の買い物をしにスーパーへいけば、食品の値上がりがわかる。
子がいれば、それまでかかわりのなかったコミュニティーとの繋がりが生まれる。
たとえば、はじめての子は、どう育てていいか不安なわけで、女性はまわりか情報を得ようとする。それは、子どもがおなじ学校へ通うママ友だったり。
女医さんから、公務員、非正規労働をしている人、生活保護受給者まで、たまたま子どもがおなじ学校へいっているという理由だけで、親しくなる機会がある。
男性はどうか? PTAの集まりに父親がきていることは珍しい。
男性は、自分が所属する集団のことしか知らない人が多いのではないか? 格差が進み、子どもの頃から住む場所も通う学校も違ってくれば、幼馴染みだっておなじような人間の集まりになってしまうだろうし。
この国でいちばん話を聞いて支えてあげねばならない人の、いちばん遠くにいるのが、裕福な家に生まれ、なんの疑問も持たずにバッジをつけているオッサンじゃないのか? あ、子どもの頃からずっと送り迎えの車がついているような女性もそうだけど。