室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
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イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 作家の室井佑月氏は安倍首相に感じる恐怖を明かす。

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 酷い事件がある。ニュースを観て怖いと感じるのは、その動機がいまいち理解できないものだ。

 生きていれば、誰かを殺したいほど憎いと思うことだってある。

 誰かを殺したいと思ったことがある人と、実際に人を殺してしまった人とでは、乗り越えられない大きな大きな壁があるけれど。

 しかし、なぜそういう事件が起きてしまったのか、理解したいとは考える。理解不能な犯罪者の心理ほど、背筋が凍る。

 たとえば、父親に虐待され死亡した心愛(みあ)ちゃんの事件。この父親、怖すぎる。報道によれば、虐待の様子を動画で撮影し、記録媒体に残していたという。

 これまでの警察の調べに、この男は「親のしつけ。間違いはなかった」と答えている。理解できる? 怖くないか?

 ところで、あたしにはおなじような怖さを感じてしまう人間がいる。

 2019年2月9日の「ゆるねとにゅーす」で拡散されているゆみさんという方の動画を観てくれ。ゆみさんは、

<日本全国すべての皆さんへ一つ、お願いがあります。「こちらの、ショート動画を見てもらえませんか?」お願いします。>

 と訴えている。あたしもお願いしたい。

 それは、爆笑問題の太田光さんと安倍さんがテレビ番組で討論している動画。

 安倍さんはイラク戦争のとき、米国を支持したのは間違いじゃなかったといっている。それに対し、「アメリカもイギリスも間違ってたといっている」「間違った判断されて、死ななくて良かった人がボコボコ死んでいったというのはどう思っています?」と噛みつく太田さん。

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