今夏、その可能性が指摘される参院と衆院のダブル選。本誌は各党の衆院選獲得議席を予測。すると、衝撃の数字が……。
ヘタにダブル選を仕掛けると、衆参の両方で改憲勢力は3分の2を失い、単独過半数も危うくなりかねない。では、予定どおり、夏に参院選のみが行われた場合、どうなるか。野党は統一候補を立てて、自民党を追い込むことが果たしてできるのだろうか。政治ジャーナリストの角谷浩一氏、政治ジャーナリストの野上忠興氏が予測した。
自民は角谷氏が改選の現有議席から13減の55議席、野上氏が16減の52議席となった。公認候補が全員当選と堅調な公明に、維新を加えても改憲の発議に必要な3分の2の勢力を失い、安倍首相悲願の憲法改正は雲散霧消することになる。
参院選の勝敗を左右する32の1人区で、自民は16年参院選で21勝11敗。特に東北6選挙区で5敗し、環太平洋経済連携協定(TPP)がもたらす国内農業への不安から、農政への“反乱”と見られた。今夏の参院選でも、自民は東北で苦戦を余儀なくされそうだ。
「今回も野党統一候補が東北で圧勝することを予測します。東北で野党の勢いを止めることができない一方で、北陸、四国、九州では自民の地盤が強いという傾向があります」(角谷氏)
自民は前回の参院選で新潟、長野、山梨の北信越3選挙区と三重、大分、沖縄を落としている。
「それに加えて、滋賀、奈良、岡山なども安心できない状況です。加計学園問題に揺れた愛媛は市民感情を加味すると落とす可能性があります」(野上氏)
1人区の戦いを、角谷氏は自民の18勝14敗、野上氏は20勝12敗といずれも厳しい数字をはじき出す。一方の野党は、両氏とも立憲民主は躍進。各世論調査で支持率が1%前後の国民民主も、選挙戦術に長ける小沢一郎氏(自由)と統一会派を組んだことが奏功するのか、議席を積み上げている。
現在、参院の与党議席数は149(自民124・公明25)で、維新などを含めれば、改憲勢力は3分の2を超えているが、菅義偉官房長官は参院選について「与党で過半数を取ることが大事」と勝敗ラインを大幅に下げている。野上氏が指摘する。