手束さんはSKE48を脱退後、2015年10月から秋葉原でコンセプトカフェ「発掘!グラドル文化祭」を運営しており、所属するアイドルたちをまとめる役割もこなしている。アイドルとファンの関係はどうあるべきか。
「憧れの届かない存在でありたいなとは思いますが、私は店の運営をやっているので、店のラインを通じてファンから『今日行きますね』『真知子さん今日差し入れ何がいい?』とプライベートなメッセージが届いたりもします。所属するアイドルたちには、(ファンと近づきすぎることで)罰金とかはないですが、一応ダメだよというルールは作っています」
ファンとの距離感を図るのはなかなか難しいようだ。
一方で、今回の一件を社会問題と見るのは、16歳から地下アイドルとして活動し『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)などの著書がある、ライターの姫乃たまさん。
「今回の騒動はアイドルとファンの問題以前に、会社の運営の体制や、メンバー同士の人間関係に関わる部分が大きいように感じます。アイドルとファンの間で事件が起きると、ファンを過剰に危険視する報道が相次ぎますが、問題のあるファンはごく一部で、現場に通っているほとんどの人がアイドルとの距離感を守っているファンです。それよりも、こうした会社の対応や人間関係のトラブルを、アイドル業界だけの問題として終わらせずに、広い目で社会問題として見たほうがよいと思います」
今回の事態を受けて、NGT48が、そしてAKB48グループがどういう方向に向かっていくのだろうか。(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日オンライン限定記事