東京都文京区湯島2-26-8 エリートイン東京1F(営)11:30~14:00L.O.17:00~20:00L.O.(休)木 ※12月31日、1月1日は昼のみ営業。1月2~4日の夜は予約のみ営業 (撮影/写真部・加藤夏子)
湯島で江戸前天ぷらの伝統を受け継ぐ店。注文を受けてからお客の目の前でさばいて揚げる、いきのいい海老や穴子が絶品。油っぽさがなく、素材を生かした軽やかな揚がり具合がこの店の持ち味だ。年が明ければ白魚や、フキノトウなど山菜も入荷して楽しみが増える。お好みの単品もしくはコース(5500円~)で提供。昼の天丼980円。税別 (撮影/写真部・加藤夏子)
著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回はエッセイスト・海老名香葉子さんの「天庄 別館」の「天ぷら」だ。
* * *
普段はあまり外食はしませんが、たまに出かけるのは決まって昔からのなじみのお店。こちらもずいぶん長いおつき合いになります。家族やお弟子たちと大勢で行くこともあれば、外国からいらしたお客さまをお連れすることも。主人(落語家の初代林家三平)もここの海老の天ぷらが大好きでした。
いつも座るのはカウンター席。板さんが目の前で生きた海老や穴子をさばいて衣をつけ、さっと油で揚げてくれます。その手際のよさに外国人のお客さまもあっぱれと大喜び。少し小ぶりの巻き海老は甘みがあって、頭がカリッと香ばしくて。穴子も一尾出てきて身がふわふわ。しかも油がいいのか軽くてあとに残らない。若いお弟子を連れていくと海老を何本も食べる子がいて「食べすぎよ」っていつも注意するんです(笑)。大根をたっぷり盛った天つゆもおいしさを後押ししますね。本当は内緒にしておきたいとっておきの店ですが……(笑)。おめでたい海老を食べつつ新年をお祝いしていただけると嬉しいです。
(取材・文/今中るみこ)
「天庄 別館」東京都文京区湯島2−26−8 エリートイン東京1F/営業時間:11:30~14:00L.O. 17:00~20:00L.O./定休日:木 ※12月31日、1月1日は昼のみ営業。1月2~4日の夜は予約のみ営業
※週刊朝日 2019年1月4‐11日合併号