TBSの看板アナとして活躍されていた1995年以来、23年ぶりにアナウンサーの雨宮塔子さんが作家の林真理子と対談しました。渡仏、結婚に出産、離婚、そして単身日本に戻っての新境地と、さまざまな出来事があった雨宮さん。林さんがパリでの暮らしからキャスターとしての仕事までお話をうかがいました。
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林:ライバルというと、やっぱり有働(由美子)さん?
雨宮:いえいえ、先輩ですし。ほかの皆さんどう思ってらっしゃるかわかりませんが、ライバルっていう意識、私はあんまりないです。有働さんとはお酒をご一緒したいくらいですから。
林:でもテレビの世界って、いったん退職した人とか他局から来た人には冷たいですよね。有働さんなんて、はじめはみんな拍手してたのに、「視聴率が下がった」とか、何であそこまで言われるのかなと思う。
雨宮:はじめはしょうがないと思うんですよ。私も長く離れていてあらためて思ったんですけど、視聴習慣がつくまでもうちょっと長い目で見ていただきたいなと思うんです。
林:特にあの時間帯は女性キャスターがいちばん注目されますからね。
雨宮:何をニュースの第1項目に持ってくるか、各局で違いますしね。その日の担当編集長の個性もあるんですが、第1項目に何を取り上げるかに各局のカラーが出るような気がします。
林:雨宮キャスターとしては、どういうスタンスで行こうと思ってるんですか。
雨宮:私はスタジオ回しということになるんですかね。キャスターの定義が私の中で漠然としているところがあるんですが、キャスターのとらえ方も、各局違うのかなと思ったり。
林:棒読みしてるのと、ほんとに理解して読んでるのと、視聴者はすぐわかるから、コワいなと思いますよ。
雨宮:そういうのって本当に伝わると思います。
林:前に対談させていただいたとき、「いずれは何かものを書いていけたら」とおっしゃっていたけど、エッセーを書いたりして、パリでは理想の生活だったわけですよね。パリでの穏やかな日々がなつかしく思うことはないですか。