浅村だけでなく、広島からFA宣言した丸に、獲得を目指す球団は年俸5億~6億円を提示したと聞く。その一方で、各球団の契約更改交渉では、減額制限を大幅に超える減俸を提示される選手が相当数いる印象だ。活躍すれば一気に上がるし、年俸に見合った活躍ができなければ一気に下がる。プロの世界の厳しさを感じる年となっている。
それが良いことなのか、悪いことなのか。球団からすれば、収入に見合った人件費という観点で総年俸を計算する。ただ、所属選手を大幅減俸し、FAで補強する選手に大盤振る舞いでは、所属選手の不満はたまる。移籍が当たり前の時代になってきたからこそ、年俸の上下動一つにしても細心の注意が必要だ。査定方法が細分化され、数値化されている時代だが、目に見えないチームへの功績なども加味して総合判断しないと、大切な選手のモチベーションを下げてしまう。どんぶり勘定だったかつてと違い、球団も難しい選択を迫られる時代だ。
※週刊朝日 2018年12月14日号